来集軒の歴史

暖簾を絆いで八十余年。いつの時代も色褪せぬ“口福”をお届けします。

 来集軒久下店の歴史は、昭和初期まで遡ります。昭和四年、前身である「浅草来集軒製麺所」から独立した卯都木豊松は、現・台東区入谷に「中華料理 来集軒」を開店しました。折りしもエノケンの「カジノ・フォーリー」を代表とする大衆芸能で隆盛と賑わいを極めた浅草にほど近い立地で繁盛しましたが、昭和十六年に太平洋戦争が勃発。戦禍が首都東京にまで及んだ昭和十九年、豊松は店を畳み、一家六人を連れてリアカーを引いて加須まで徒歩で疎開しました。
 
そして終戦を経た昭和二十二年、加須市元町にて加須初となる中華料理店「来集軒」を開店(現・来集軒元町店)。小麦粉配給制の厳しい時代もありましたが、高度成長期になると小麦粉の流通量も増え、製麺機を導入した来集軒は、当時を知る人曰く「加須劇場で映画を見て、帰りに来集軒でラーメンを食べることが贅沢だった」と語るほどの人気を博しました。

 浅草来集軒や豊松の下で修業を重ねた次男・菊雄は、妻・春枝とともに豊松の強い要望を受け、
昭和四十七年に「来集軒久下店」を開店しました。お店は開店当初から繁盛し、春枝の自作であるフリル付きエプロンをトレードマークに、たくさんのお客様に愛され続けてきました。

 時は経って平成二十年、豊松の孫で現店主である久下店二代目克有が暖簾を引き継ぎ、来集軒を愛してくださるお客様に喜ばれるよう、懐かしさのなかにも新しい感動のある“来集軒の味”を提供し続けています。

店名
来集軒久下店
住所
〒347-0063
埼玉県加須市久下5-272-5
駐車場アリ(店前、第二駐車場)
TEL
0480-65-2752
営業時間
11:30~14:15、17:00~19:00(L.O)
定休日
毎週月曜日、火曜日